eラーニングを正しく設計する方法1

eラーニング

 eラーニングを外注や内製化(自社制作)して作っているが、受講者の反応があまり良くない、なんて事はありませんか?学習管理システム(LMS)を導入して、階層管理や受講者登録やデジタル化した教材を登録することも大事ですが、eラーニングをそもそもなんで行う必要があるか、明確になっていないケースをeラーニングだけでなく研修全体で見受けられます。なぜ研修を行うのか?なぜこの方法で研修を行うのか?研修後は受講者はどのような事ができるようになっているか、明確に応えることができますか?

ADDIEモデル

 eラーニング・研修の世界には、インストラクショナルデザインという研修をデザインするためのフレームワーク群があり、その中のプロセスモデルに「ADDIE(アディイ)モデル」以下図を参照。という考え方があります。ADDIEとはざっくり言えば教育におけるPDCAサイクルです。Analysis(分析)、Design(設計)、Develop(開発)、Implement(実施)、Evaluate(評価)の頭文字からADDIEと呼びます。

Analysis(分析)

 eラーニングの企画を始めるとき、多くの担当者がやってしまいがちなのが、既存の教材を探したり、内省して作成を進めてしまうことです。eラーニングを必要とする場面は、経営層からオーダーであったり、研修担当者からのオーダであると思いますが、eラーニング研修担当者がまず着手すべきことは、受講する対象者がどのような知識やスキルを持っているか把握することです。そのうえで、現状とあるべき姿とのギャップを見える化して、必要な施策が何かを考えます。施策とは、教育・研修だけでなく、会社の制度的な事や文化的な改善も含みます。

 私が企業でマネジャーとして働いていた頃、スキルは充分にあるのに外の世界を知らなすぎる、顧客提案力の弱いメンバーがいました。そこで、世界的な人事カンファレンスであるATDに派遣して、他の会社の人の薫陶を期待したり、自分のやってきたことをグローバルな物差しでベンチマークさせて学ばせたことがあります。また別の機会にご紹介しようと思いますが、人材育成の世界には、702010モデルという考え方があります。

 よいeラーニングを作っている会社の特徴は、現状分析と設計に時間を一番かけます。半年くらいかけてサーベイを行って、補強ポイントを見える化するので、年次教育のような内容でもその年その年に必要なeラーニング・研修を行うことができます。

 ギャップが見えたら、そのギャップを埋めるのに必要な施策を明確にして、具体的な言葉、定量的に学習目標を言語化します。学習目標でありがちなのが、【学習目標】情報セキュリティの基本を習得する、といったような習得する、理解するで終わってしまうパターンです。情報セキュリティであれば、「2021年度のインシデント報告件数ゼロ」であるとか、コンプライアンス対策であれば、法令違反報告件数を0件、であるとか、営業研修であればメンバー一人で提案件数を1ヶ月で10社、などと具体的な内容と数値を記入します。会社の経営目標は明確に数字を出すのに、eラーニング・研修では、なぜか数値で語られる事が少なく残念に思います。数値目標を出すのは難しいという声もあると思いますが、数値がなければ何を尺度にeラーニング・研修の実績を残したか測ることができないと言うことです。ADDIEのEはEvaluate(評価)で、学習目標が明確でなければ正しく研修成果を計れないと言うことです。やったという証跡だけのeラーニング・研修に意味があるのか問いたいです。

 eラーニングや研修を制作会社や研修会社に外注することができても、現状分析・学習目標は発注者であるeラーニング担当者がきちんと握っていいる必要があります。ここがブレている制作担当者は、上司承認を得るのが難しく、制作会社に修正を何度も依頼することになりがちです。そうなると制作会社からの見積も割高になる可能性があります。

 ADDIEモデルについてもう少し詳しく知りたい方は個別にお問い合わせください。次回は、Design(設計)フェーズで行う具体的な設計についてご説明したいと思います。弊社のようなeラーニング専門のコンサルティング会社にご相談をいただければ、現状分析や明確な学習目標の立案をお手伝いすることが可能です。

 内製化しているご担当者向けには、eラーニング企画・設計のワークショップをご提供しております。eラーニングの品質を上げていきたいとお考えのご担当者様、お気軽にDFOソリューションズ合同会社にご相談ください。

 次回は、Design(設計)フェーズで具体的にどのようなことを行うのか、具体的な事例を元にご紹介したいと思います。お忙しい中、最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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